今回は古式床しい伝統が息づく「秋葉まつり」を訪れる前に、ぜひ知ってほしい情報をご用意しました。
この記事では、歴史と趣に満ちた「秋葉まつり」の魅力を余すところなくご紹介します。
読み終える頃には、「秋葉まつり」に対する知識が深まり、「秋葉まつり」を120%楽しむためのヒントがきっと見つかるはずです。
仁淀川町別枝集落の山間に一番貝と呼ばれるほら貝が響く。
それは、一年で最も華やぐ瞬間の幕開けを告げる合図です。
200年以上の歴史を持つ秋葉まつりは、火の神様を祀る秋葉神社の祭礼として、人々の暮らしと深く結びついてきました。
別枝地域では、山口県と福岡県が接する海峡・壇ノ浦の戦で敗れた平家の一族が安徳天皇を奉じてこの地に逃れてきたという伝説が語り継がれています。
その一行に随行していた常陸国筑波城主の佐藤清巌が、遠州秋葉山から火の神様である秋葉の神様を勧請し、別枝岩屋の大巌の洞窟に祀ったことが、秋葉神社の始まりとされています。
佐藤清巌は、安徳天皇に仕えた五勇士(武勇の士)の一人であり、戦に当たって戦勝祈願や自らの身を守るための守護神として勧請したと伝えられます。
厳しい自然の中で暮らす人々にとって、火は生活に欠くことのできない存在であり、また一瞬のもとに家財や田畑を焼き尽くす恐ろしい存在でもありました。
火伏の神様、秋葉の神様は防火・防災はもとより豊作や家内安全の神様として人々に慕われ、信仰を集めたのです。
秋葉まつりの歴史を語る上で欠かせないのが、「安徳天皇の五勇士」という伝説です。
別枝地区に伝わるこの物語は、秋葉まつりに深遠な意味と神秘的な魅力を与えています。
壇ノ浦の戦で入水したとされる安徳天皇ですが、実は生き延びてこの地に辿り着き、五人の勇士に守られながら暮らしていたと言われています。
彼らは、厳しい自然の中で安徳天皇を守り、この地に根を下ろしました。
そして、その子孫たちは、代々秋葉神社を守り、秋葉まつりを守り続けてきたと伝えられています。
安徳天皇と五勇士の物語は、この地に息吹を吹き込み、秋葉まつりは、その物語を語り継ぐための舞台となっています。
まつりを通して、人々は祖先と繋がり、地域社会の絆を深め、未来へと希望を繋いでいます。秋葉まつりの祭典の中で、この伝説の影が見え隠れします。
例えば、お神輿を担ぐ人々の姿は、五勇士が安徳天皇を守ったように、地域と神様を守るという強い意志を感じさせられます。
また、まつりの途中お神輿が休憩する場所には、五勇士のお墓とされる場所が残っていたりもします。
秋葉まつりに参加する際には、この伝説を心に留めてみてください。
きっと、祀りの風景がより深く、そして感動的に映るはずです。
五勇士の勇気と忠誠心、そして地域の人々の熱い思いが込められた秋葉まつりを、ぜひ体験してみてください。
秋葉まつりの華やかな舞台裏では、地域住民たちの熱い思いと、一年をかけて行われる入念な準備があります。
その中でも、まつりを象徴する神具である「サイハラ」のミニ版の製作は、地域住民たちの強い絆と伝統技術を象徴する重要な行事となっています。
ミニサイハラは、まつりの行列の全体を差配する「鼻高」役が持つ清めの神具「サイハラ」のミニチュアです。
沢渡組、本村組、霧の窪組の3つの集落で、それぞれが特徴的なミニサイハラを作成します
。毎年、竹の伐採から始まり、鮮やかな色紙で飾り付け、一つ一つ丁寧に手作りされるミニサイハラは、まさに芸術作品と言えるでしょう。
各組が作るミニサイハラは、色使いやデザインが異なり、それがまた魅力の一つとなっています。
これらの違いは、各集落の歴史や文化を反映しており、秋葉まつりをより一層カラフルで華やかにしてくれます。
各組では、200~300本ものミニサイハラが作られます。
地域住民たちは、自分たちの手で作ったミニサイハラが、まつりの日に多くの人々に手渡されることを喜び、その年の秋葉まつりの成功を祈願します。
ミニサイハラ作りは、単なる作業ではなく地域住民たちが集い、語り合い、そして伝統を継承していく大切な場となっています。
子供から大人まで、世代を超えて参加し、手作業を通して地域の絆を深めています。
秋葉まつりの舞台裏には、このように地域住民たちの熱い思いと、伝統技術が息づいています。
ミニサイハラ一つ一つに込められた想いを、ぜひ秋葉まつりに訪れて感じてみてください。
特に、サイハラの房の色に注目しながら、各組の個性あふれるミニサイハラを見比べてみるのもおすすめです。
秋葉まつりの歴史と、その背景にある人々の想いを紐解いてきましたが、まだまだ語るべきことはたくさんあります。
後編では、秋葉まつりの華やかな舞台裏をさらに深く探求していきます。
勇壮で荒ぶるお神輿や、神秘的なお神楽など、見どころ満載のまつりの様子を写真と共にご紹介します。
また、まつりに参加する人々の想いや、地域とのつながりについても迫ります。
秋葉まつりの魅力を余すところなくお伝えしますので、後編もお楽しみに!
※なお、今回の前編後編のブログ内容は秋葉神社祭礼 練り保存会 会長 片岡さんよりお話しを聞き作成いたしました。
片岡さん、ご協力ありがとうございました。
※秋葉まつりの写真は過去に撮影したものを使用しております。
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