還暦デビューの作家 ~竹良~ を訪ねる

 

今回は、仁淀川町の竹細工職人

「竹良(たけよし)」鈴木良夫さんに取材をさせていただきました。

 

~竹良 鈴木さんとは~

 

仁淀川町の数少ない竹細工職人の一人。

鈴木さんが竹細工をはじめたのは今から約10年前の、なんと還暦を迎えてから。きっかけとなったのが、趣味である鰻漁に使う「かご」を制作した時で、その頃から色々と自分で作ってみようと竹細工を始めてみたそうです。最初はとてもお金になるとは思っておらず、生活用品に使えそうな“かご”などを作ってみては、近所の人にあげていたといいます。

 

そんなときふと「生活用品」ではなく「工芸品」というジャンルで考えてみた時に、今の竹良の形にまとまったそうです。そこからは、30年間経営した眼鏡屋で培った手先の器用さを生かし、1年足らずで今の竹細工を作り上げました。

家の中には所々に竹細工が。照明器具は、全て鈴木さん手作りの竹細工が使われていました。こういった大きい作品や、複雑な作品になると、制作に3~5日ほどかかるそうです。

玄関の網代(あじろ)天井は、竹細工を作りはじめた当初作ってみたもの。

模様も綺麗で、言われなければ自分で作ったとは気付かない出来ですね。

 

竹細工をはじめて10年経った今、その間に制作した竹細工は大小合わせて150種類を超えていて、商品化していない物も合わせれば、200種類はあるんじゃないか。と笑う鈴木さん。現在はほぼ失敗しなくなったといいますが、やはり新しいものを制作するときは時間が掛かるようで。

(写真は完成品倉庫、写真内でも商品化していないもの含め約20種類)

新しい作品を作る時は、まずイメージを頭の中で固めて制作を開始。仕上がってもイメージと違うと新たにやり直し。何個も作ってやっと商品化。そのすべての設計図は頭の中に入っているそうです。

 

 

次は作業場へと案内していただきました。

作業場は家の地下に当たる部分にあり、入り口付近には木を削るであろう機材と木くずがたくさん。

作業場の中には竹細工と道具が所狭しと置かれていて、作業スペースだという一番奥には、今まさに製作していた竹細工が並んでいました。(和紙を貼る作業中だったようです)

↑高知県須崎市安和でしか育たない天然記念物“虎斑(とらふ)竹”

 

どういった感じで作業をするのか、作業風景を見せて頂くことに。

すると、おもむろに細長い竹を手に取り割っていく鈴木さん。

「竹っていうのは半分に割るのは簡単だけども、3分の1に割るのは斜めに割れたりするから、そう簡単じゃない。」

と言いながらも、慣れた手つきで割っていきます。

1つのランプシェードに要する“竹ひご”は大小さまざまだが約100本。一本一本の厚みや大きさが違うとバランスが悪くなり、綺麗な形にならないといいます。

↑竹の内側を取る作業。内側の白い部分はほぼ使わない。

↑デニム生地の上で刃を立て、内側の“ささくれ”を取る作業。

「等間隔に割る⇒竹の裏側を取る⇒ささくれを取る」

以上の作業で、幅、厚さを整えます。

この作業にかかった時間は30秒ほど。あっという間に1本の“竹ひご”が出来上がりました。

 

作業を終えた後「竹ひごはだいたい0.7mmぐらいがちょうどいい厚さ」と教えてもらい、実際に“ノギス”(100分の1mm=0.01mmまで測ることが出来る器具)で計ってみせてもらうと0.7mm。10年続けてきたことで、指が0.7mmを覚えているんですね。職人技です。(参考画像:ノギス)

 

 

なんと鈴木さん、作るものは竹細工だけではないそうで。

作業場前の大量の木くず。そう、竹良の竹細工は、目に見える部分はほとんど手作り。

やってみようと思ったら、全て独学で作ってしまう。鈴木さんとはそういう職人なのです。

↑写真右奥に積み上げられた台座の数々

そしてサイズが合わなければ配送用の段ボールも、作品ぴったりのサイズに作ります。ついでのように話してくれましたが、地下のあの作業場も、もともとは畑だった場所を自分で設計して作ってもらったといいます。

 

そんな中でも台座の塗装は、ムラが出たりで難しかったと一言(笑)

完成品倉庫から

ここに置かれていないものは、注文が入ってから作り始めるそうです。

 

作業場を見せてもらった後、昔話を聞かせてもらいました。

還暦デビューを果たした鈴木さんが、今もこうして竹細工を続けていくことが出来ているのは、鈴木さんがまだ子供の頃、お隣に住んでいた90歳くらいのおじいさんが言っていた言葉が大きかった。と話してくれました

 

毎日出掛けもしないのにスーツにネクタイを締めるおじいさん。

なぜ出掛けもしないのにネクタイを?と問いかけたところ

『老人は何もせんでもただでさえ“むさい”ろう?むさいままでおったらいかん。常に“向上心”を持って振る舞わんと。』

この言葉が今なら良く分かる、と話す鈴木さん。

 

 

「この“向上心”を忘れないよう、ずっと竹細工を続けていくし、何より今は楽しくて仕方がない。」

還暦デビューの竹細工職人はとどまることはなく、良いものを作り続ける為に、日々試行錯誤を続けている。

 


 

 

竹良さんの作品は
・によどがわオンラインストア(5種類)
にてご注文。

 

仁淀川町ふるさと納税
・ふるさとチョイス(20種類)
仁淀川町ふるさと納税の記念品としてもお選びいただけます。

職人の作り上げた、世界に一つだけの竹細工。
ご家庭でもぜひ。

 

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